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Mists of Pandaria ストーリーまとめ

いよいよ新しい拡張が来月に迫ってきたので、2年間遊んだ、World of Warcraft 第4の拡張であるMists of Pandaria(2012年9月25日リリース)について、ストーリーの面から振り返っておきたいと思います。

細部は適当に省略しながら、Wowpediaの記述を参考にしつつ、とりあえずストーリーのあらすじを書いてみます(ネタバレ含む)。

 

パンダリアの歴史

前提知識として、パンダリア大陸の歴史について。

 

約1万年前に惑星Azeroth全体を襲った「大分裂」(the Great Sundering)*1以前のPandariaは、Kalimdor大陸の一部だった。

Pandaria地方では、はるか太古(数万年~十数万年前)、Titanたち*2とその下僕であるmogu(当時は石造だった)が、古神(the Old Gods)*3のうちの一体であるY’Shaarj(発音ヤシャーラジ)とその下僕mantid(昆虫型亜人)と戦っていた。TitanはY’Shaarjを倒し、残されたY’Shaarjの生ける心臓を常時監視するために番人Norushen*4を、そしてmoguたちがpandariaの土地を開拓するための指導者として番人Ra-den*5をそれぞれ派遣して任務につかせた。

 

歳月を経て、moguたちは古神のcurse of flesh*6の影響下に落ちて本来の石造の姿を失って生身の肉体となり、そして自意識(内面)に囚われるようになった。彼らは、自分たち以外の他の種族を征服しなければならないと考えるようになった。以降、muguの王によるパンダリア支配が続いた「百人王の時代」(Age of a Hundred kings)と呼ばれる時代が始まる。

ある時、Lei Shenという一人のmoguの戦士が、番人Ra-denを倒し、その力を我が物にする。彼はThunder Kingとして即位した。The Serpent’s Spineと呼ばれる長城を築いてmantidの侵攻を食い止めたのは彼の業績とされる。Lei Shenはやがて寿命で死ぬ。

 

moguの専制下に置かれてきたパンダリアの他の種族たちは、パンダレンのKang(別名the Fist of First Dawn)の指導のもとで反乱を起こす。hozen、jinyu、grummlesらの種族を集結させ、パンダレンの僧兵(monk)たちを中心に革命を起こし、mugu支配に終止符を打った。(moguはZandalari族のTrollたちの協力を得て反革命を試みるが鎮圧される)。

 

その後、歴代パンダレン皇帝の治世のもとでパンダリアは栄えるが、約1万年前、当時の皇帝であったShaohaoは、世界中を巻き込む戦争(War of the Ancients)とその結果生じたthe Great Sunderingからパンダリアの民を守るべく、パンダリアの土地と一つになり(彼自身は消滅する)、Kalimdor大陸からパンダリアを切り離して隔離することに成功する。パンダリアは霧に包まれ、世界から忘れ去られてしまう。(Shaohaoは気付かなかったが、パンダリアを隔離し霧で包むことは、古神Y’Shaarjの残留思念ともいうべきSha of Prideが目論んだことであり、Shaohaoはその傲慢さゆえにまんまと利用されてしまったのだった。)

 

世界から孤立したパンダリアはその後、今日に至るまで停滞状態に陥ることになった。

 

ここまでが前史。

 

 

Mists of Pandaria  ストーリーあらすじ

 

カタクリズムの危機を乗り越え世界は平和を取り戻したが、それもつかの間、Garrosh Hellscream率いる新体制下のHordeが、Allianceの拠点のひとつであるTheramoreを、マナ爆弾投下によって街ごと破壊し、民間人を含む多数の人々を殺戮したことで、近年は比較的良好だったHordeとAllianceの関係は極度に悪化した。

 

全面戦争すら起こりかねない一触即発の危機の下、世界にネガティブな感情が満ちてきたのを察知したSha of Pride(古神Y'Shaarjの残余ともいうべき存在)は、パンダリア大陸を包む霧を解除し、負の感情に囚われた外部の人々をパンダリアの地に招き入れることを決める。

 

パンダリアに巣食う闇に誘われているとも知らず、霧の向こうに未知の大陸を発見したAllianceとHordeの両陣営は、競って上陸を試みる。

彼らが上陸したのが、the Jade Forestと呼ばれる森林地帯。

 

両陣営は、現地の種族(Allianceは魚人族のJinyu、Hordeは猿人族のHozen)と協力関係を結び、彼らを自らの抗争に動員する。

両陣営間で繰り広げられる大規模な戦闘のさなか、Serpent's Heartと呼ばれる彫像*7が破壊されてしまう。この神聖な憑り代が失われたことで、Sha of Doubt(疑念のシャー)が封印から解かれて出現する。Jade Serpent寺院はシャーの手に落ちて汚染されてしまう。

→ Lv85向け 5manダンジョン the Temple of Jade Serpent。ラスボスはSha of Doubt。

 

その後、両陣営はさらにパンダリアの奥地へと分け入り、Vally of the Four WIndsを経て、Kun-Lai Summitと呼ばれる山岳地帯へと辿り着く。この地では、Yaungolという好戦的な牛人族*8を退けながら、両陣営はベースキャンプを築く。

 

Kun-Lai Summitの北西部に僧院を構えるパンダレンの僧兵集団Shado-Pan*9のリーダーであるTaran Zhuは、AllianceとHordeがJade Forestに上陸した当初から、両陣営に対しshaの存在について警告を発し、争いをやめるよう呼びかけてきた人物だが、皮肉なことに、彼は争いを続ける人々を憎むがゆえに、彼自身がSha of Hatred(憎悪のシャー)に精神を乗っ取られてしまう。リーダーが正気を失った僧院は、Sha of Violence(暴力のシャー)の侵入を許して汚染され、その一方でSha of Anger(憤怒のシャー)も封印を打ち破りこの地に出現する。これら3つのシャーは、かつて皇帝Shaohaoがこの山岳地帯に封印したもの。

→ Lv87向け 5manダンジョンShado-Pan Monastery。3rdボスがSha of Violence。ラスボスはSha of Hatredに乗っ取られたTaran Zhu本人。このダンジョンをクリアすることにより、Taran ZhuはShaの呪縛から解放される。Sha of HatredはTownlong Steppsへと逃れる。

→Lv90向けワールドボス・Sha of Anger。

 

長城(Serpent’s Spine)外部に位置するTownlong Steppsと呼ばれる西部平野地帯では、押し寄せるmantidの大群と、防衛するShado-Panとの戦線が形成されており、AllianceとHordeの双方がそれぞれShado-Panに協力する形でmantidとの戦いに乗り出す。

その一方で、この地に逃れたSha of HatredをTaran Zhuとともに追い詰め、討伐することに成功する。

 

Townlong Steppsの南部に広がるDread Wastesと呼ばれる土地は、古来よりmantidの本拠地であり故郷であったが、パンダリア各地でShaが封印から解き放たれるのに呼応して、Sha of Fear(恐怖のシャー)がこの土地に出現し、mantidの親玉である女王の精神を乗っ取り、彼女の支配下のmantidたちを汚染し、この土地を荒廃させていた。

しかしmantidの中にはシャーの汚染を免れている者たちも一部存在しており、彼らはKlaxxi*10と名乗る長老集団の構成員であり、シャーに乗っ取られた女王を廃位させてmantidを汚染から解放するという目的のもとでレジスタンス活動を行っていた。彼らはプレーヤーたちによる協力の申し出を受け入れ、最終的には汚染された女王を倒すことに成功する。*11

Raidダンジョン Heart of Fear。ラスボスは、Sha of Fearに乗っ取られた女王であるGrand Empress Shek'zeer。

 

 

やがてAllianceとHordeの両陣営は、Krasarang Wildsに大規模な軍事基地を建設し、領土や地下資源を巡って戦いを繰り広げる。

地下採掘中に出土した数々の古代mogu帝国の財宝の中にthe Divine Bellと呼ばれるアーティファクトがあった。

このDivine Bellの音色は、聞く者のネガティブな感情を増幅し、シャーによる汚染を推し進める力を持っており、そのことに目をつけたHordeのGarroshはこの鐘を使って配下の兵士たちにシャーの力を授けようと目論む。

 

こうしたHordeの蛮行に対して、今まで中立の立場を貫いてきたKirin Torは、反Hordeの旗幟を鮮明にし、親HordeのSunreaverの一味をDalaranから一掃する。Theramoreの惨劇でHordeによって殺された元リーダーRhoninの遺志を継いでKirin Torの現リーダーを務めているJaina Proudmooreは、Allianceを支持することを宣言する。

一方、Stormwindの王子であるAnduin Wrynnは、Garroshの野望を阻止すべく単身Hordeの軍中に乗り込み、Divine Bellを破壊するが、Garroshの怒りを買ってその場で打ち倒されてしまう。(Anduinは死んだとみなされていたが、かろうじて一命を取り留めていた。)

 

 

その頃、Kun-Lai Summitの北部海上の小さな島で生き延びていたZandalari族のTrollたちが、かつて絶大な力を誇ったmogu皇帝であるThunder KingことLei Shenを呪術によって復活させることに成功していた。Lei ShenはThunder島に再び降臨し、力を蓄え始めていた。

このことを察知したKirin Tor(Alliance陣営)とSunreaver(Horde陣営)はそれぞれThunder島に遠征軍を派遣する。この頃にはHorde陣営内においても、Garroshの暴虐に対して 陰ながら批判的な立場を取る者も多かったが、Alliance対Hordeの対立の構図は依然として維持されていた。

しかし、パンダリアにとっての差し迫った危機であるLei Shenを倒すために、AllianceとHordeは今は争いをやめ互いに協力してほしいというTaran Zhuの説得もあって、両陣営は一時的に停戦する。結果、Lei Shenを倒すことに成功する。

Raidダンジョン Throne of Thunder。ラスボスはLei Shenと前述のタイタンの番人Ra-den。

 

 

Garroshに対して最も批判的な立場にあったDarkspear Trollの族長であるVol'jinは、Garroshによって刺客を送られ、暗殺未遂に遭う。死を装って潜伏したVol'jinは、以降Garroshを打倒するための中心的な役割を果たすことになる。

 

Garroshは、Lei Shenとの戦いに専念しているShado-Panによる警戒が薄れているのを見計らって、神聖なVale of Eternal Blossoms中心部の大規模な発掘を強行し、古神Y'Shaarjの心臓を手に入れる。そしてGarroshは、制止するTaran Zhuを倒し、Y'Shaarjの心臓を神聖な泉に投げ込む。その結果、Vale of Eternal Blossomsは完全に汚染され荒廃してしまう。

 

一方その頃、潜伏していたVol'jinは表立ってGarrosh体制に反旗を翻す。Garrosh打倒の目的を共有するAlliance陣営も、Vol'jinたちと協働することを決め、Garrosh支配下のTrue Hordeの本拠地であるOrgrimmarへの侵攻が開始される。

 

汚染されたVale of Eternal Blossomsの地下奥深く、かつて古神Y'Shaarjの心臓が封印されていた場所に、最も凶悪とされる第七番目のシャーであるSha of Prideが姿を現し、Garroshの傲慢(Prideの過剰)と古神の力との双方から力を得てますます強大となり大地と人々を汚染し始めていた。

プレーヤーたちは、汚染の原因を突き止めそれを断とうとするLorewalker Choに協力する形で地下へ侵攻する。かつて古神Y'Shaarjの心臓を監視していたタイタンの番人Norushenの力を借りて、プレーヤーたちはSha of Prideを打ち倒す。

 

その後、プレーヤーたちは、すでにOrgrimmarを包囲しているVol'jin率いる反乱軍およびAllianceの同盟軍に合流し、Orgrimmar侵攻を開始する。

 

Raidダンジョン the Siege of Orgrimmar。ラスボスはGarrosh Hellscream

 

Garroshを倒した後、前代ウォーチーフであるThrallがその場で彼を処刑しようとするが、AllianceのリーダーであるStormwind王VarianがThrallを制止する。Garroshに対する処罰にはAlliance側も関与する権利があると主張するVarianの言い分をTaran Zhuも支持し、Garroshの暴虐によって甚大な被害を被ったパンダリアの民のためにもGarroshに対する審判をパンダリアで行うべきだと主張する。

 

後日、White Tiger寺院にてGarroshの裁判が開かれる。その様子は小説"World of Warcraft: Warcrimes"で描かれる。 

 

*1:Azeroth侵攻を目論むSargeras率いるBurning Legionに対する防衛戦であるWar of the Ancientsの最末期に、Well of Eternityが内破したことにより、大陸Kalimdorの面積の約8割が失われ、結果として5つの大陸(ないし島)に分割された。今日のKalimdor、the Eastern Kingdom、Northrend、Kezan、そしてPandariaに相当する。

*2:宇宙から到来し、惑星内の環境を造成し文明をもたらした高次の種族

*3:Titanが到来するより以前に惑星に土着していた支配者。その数は5体ともそれ以上とも言われるが未だ不明。Old Godを殺せば惑星そのものが破壊されてしまうため、Titanはそれらを完全に殺すことはせず、地下に幽閉・封印した。

*4:番人ノルシェン。Siege of Ogrimmarの3rdボスのエンカウンターで登場。封印から解放されたY’Shaarjの心臓による汚染を食い止めるべくプレーヤーたちに力を貸す。4thボスのSha of Prideによって殺されるが、死ぬ間際にプレーヤーたちのPrideによる汚染を消し去り、戦いを勝利へと導く

*5:番人ラー・デン。Throne of Thunderの13th隠しボス。moguによって倒され長らく監禁されていたために、番人としての任務を忘れ絶望と失意のうちに、地上の生命はもはや守るに値しないのですべてを絶滅するべきだという考えに至る。プレーヤーによって倒された後に正気を取り戻し、プレーヤーたちにAzerothを救う希望を託す。

*6:肉の呪い。Titanの被造物である種族(Dwarf、Gnomeなど)は、古神の影響下に置かれることによって肉の呪いを被り、外形と内面が変容してしまう。本来は石・金属のような物質で構成されていた体が、血肉の塊へと変容する。それとともに自我の意識に目覚める。これらはWoWのストーリー上、とても重要なコンセプトで、この設定の背後にはユダヤキリスト教的な堕落・失楽園のモチーフがあると言われる。

*7:青龍Yu'lonの次期の憑り代となるべく作られた巨大な像。三世代という長い期間をかけて築き上げられ、ようやく竣工を迎えようとしていた。

*8:元来Townlong Steppsと呼ばれる西の平原で土着していたが、mantidたちによる侵攻を受けて、徐々に東の方へと勢力を拡大しつつある。Taurenとは同祖の関係。

*9:1万年前、皇帝Shaohaoによって設立された、忍者集団のような戦闘型僧兵組織。皇帝が封印したShaが再び蔓延することがないようコントロール下に置き、パンダリアを守ることを使命とする。

*10:mantidの言葉で「聖職者(priest)」を意味する。かつて古神Y'Shaarjに仕えた職能集団であるとされる。

*11:この時点では、プレーヤーたちと協力してShaと戦ったKlaxxiだが、本来mantidは古神Y'Shaarjの下僕であるので、Shaに対抗することは自らの主人である古神に対して反乱を起こすことを意味する。この矛盾がやがて表面化し、Klaxxiは最終的には古神Y'shaarjの呼び声に従い、プレーヤーたちと戦うことになる。これがRaidダンジョン Siege of Ogrimmarの13thボスエンカウンター。プレーヤーたちはかつて仲間として共に戦ったKlaxxiの英雄たちと、今度は敵として戦うことを強いられる。